冊子の作り方

スケジュール管理の方法

スケジュール表を作成する

予定通りの納品日に間に合うようにスケジュール管理をするためには、まず「あるべきスケジュール」を把握する必要があります。その「あるべきスケジュール」が、スケジュール表です。
スケジュール表の作成は以下の手順で行います。

スケジュールの立て方

①納品日を決める。

②色校正の有無を決める。
 色校正の有無によってスケジュールが変わります。

③納品日から逆算して、印刷会社に入稿すべき締切日を決める。
 印刷会社に納品日を伝えれば、入稿締切日を教えてくれます。

④入稿締切日から逆算して、工程ごとの締切日を決める。
 工程ごとの締切日には、最終校正締切、再校締切、初校締切、著者校正締切、初稿提出締切、原稿締切、取材締切、企画締切などがあります。

⑤上記③④の情報を、カレンダー状に一覧表にする。

⑥工程ごとの締切に少しずつ余裕をもたせるように、上記⑤の一覧表を手直しする。
 最初から厳しいスケジュールにすると、いずれかの工程で遅れた場合に取り返しがつかなくなります。

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スケジュールの守らせ方

たとえスケジュール表が理想的なものであっても、それを関係者が守ってくれなければ意味がありません。特に原稿は、往々にして遅れがちになるものです。関係者にスケジュールを守ってもらうためには、以下の方法が効果的です。

①締切厳守の雰囲気
 締切を守ってもらえるかどうかは、相手が締切を重んじているか軽んじているかに影響されます。そのため、進行管理者が「締切を重視している」ことを相手に伝えることが大切です。

②小さな締切の設定
 上記④のような工程ごとの締切を設定することが、最終的な納期を守ることにつながります。

③少し早めの期日
 「時計を少し早く進めておく」という行為に似ています。特に、他者に協力を依頼する場合は、本当の締切よりも少し早目の締切を伝えておくと効果的です。

遅れたスケジュールの取り戻し方

予定していたスケジュールより遅れてしまった場合でも、その後の段取りによって納期に間に合わせることは可能です。具体的には以下の方法が挙げられます。

①校正期間を短縮する
 たとえば、当初は中3日とっていた校正の期間を、中1日などにします。

②修正期間を短縮する
 デザイナー・DTPオペレーターにお願いし、修正作業を早めてもらいます。内容や量によっては、即日対応も可能なはずです。ただし、そのためには他者協力を得られるような関係性が求められます。

③作業を併行して行う
 たとえば、「著者校と社内校を同時に行う」「上司チェックと担当者チェックを同時に行う」などの方法が考えられます。

④スケジュールを組み直す
 遅れを計画的に取り戻すためには、スケジュールを組み直すことが欠かせません。「全体的になるべく早く」というドンブリ勘定では、納期厳守の確実性が低くならざるを得ません。

⑤プロに任せる
 「スケジュール管理のプロ」とは、編集者やディレクターを指します。そうしたプロの専門家は豊富な経験とノウハウを持っており、デザイナーやDTPオペレーターと信頼関係が築かれていますので、安心できるでしょう。

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