冊子の作り方

わかりやすい文章(原稿)の書き方

「文章の書き方」や「文章力の向上」などに関するノウハウ本はたくさん出版されています。
ただ、「本を読んでも上手にならない」「本を読むほどではない」という人も多くいらっしゃることでしょう。
そこで、わかりやすい文章(原稿)を書くための上達法について、ポイントをご紹介いたします。


はじめに~書くことが苦手な人へ

文章を書くのが苦手な人は、おそらく、書く前の準備をしていないのではないでしょうか。あるいは、上手に書こうとして考えこんでしまうのかもしれません。
でも、文章なんて箇条書きをつなげるだけです。書く前の準備がしっかりしていれば、半分できたも同然です。ちょっとしたコツさえつかめば、きっと楽に書けるようになると思います。

「いい文章」を見据えよう

広報誌・会員誌・機関誌にとって「いい文章」とはどのようなものでしょうか? それは、次の4点に集約されます(記事企画内容を除く)。

■いい文章とは
①誰が読んでも理解しやすい
②誤解を受けず、正確に伝わる
③論理的で納得できる
④必要な情報が多く、不要な情報が少ない

特に、①の「理解しやすい」が重要です。

書く前の準備

文章というと、「文を書くこと」だけを思い浮かべるでしょうが、それと同様に大切なのが「文を書く前の準備」です。建築に例えれば、「文を書くこと」は大工さんなどによる施工にあたり、「書く前の準備」は資材調達や設計にあたります。十分な準備ができていなければ、いい文章を書くのは困難です。

■書く前にすべき作業
①情報(ネタ)の全体像を理解する
②各個別情報の相互関係性を整理する
③あらすじを箇条書きでメモをする
④あらすじを再考・修正する

あらすじ作成のポイント

①話の流れ(ストーリー)を1本にする
・すべての情報を盛り込もうとすると支離滅裂になりがちです。
・重要な話題に絞って、話の流れを妨害する情報は、囲み記事などの別枠で掲載するか、削除しましょう。

②話の流れを把握して、書く順番を考える
・類似した話題は近くに、異なる話題は遠くに置きます。
・前後の内容が必然的な関係になるような順序をめざしましょう。

③大きな章と小さな項目を区別する
・あらすじをメモする際は、大きな章立てに「●」印、小さな項目立てに「・」印を付けるなど、分類レベルの違いを見た目で区別できるようにします。

④起承転結を意識しない
・論理性が求められる文章の場合、起承転結の構成は適切ではありません。

文章を書く時のポイント

①視点を統一する
・視点とは、文章全体の「主体」のようなものです。
・視点は「私」なのか「組織」なのか「第三者」なのかを、意識しながら書きましょう。そうでないと、理解に苦しむ文章になってしまいます。

②一文を短くする
・一文を短くすることによって、文の構造がシンプルになり、論旨がわかりやすくなります。
・主語と述語も近づき、理解しやすい文になります。

③文節の順序を意識する
・シンプルでわかりやすい文節順序にすることをめざしましょう。
・文節の順序を間違えると、読者に誤解を生じさせることがあります。

④無理に文章する必要はない
・説明が長くなる箇所は、「カッコ内に括る」「箇条書きにする」「囲み記事にする」「注釈にする」などの方法も考えましょう。

インタビュー記事や対談記事の場合は

インタビュー記事や対談記事の場合でも、基本的には上記と同じです。ただ、ひとつだけ注意点があります。それは、「テープ起こし(文字起こし)したデータに上書きする形で書いてはいけない」ということです。できれば、あらすじのメモと、プリントしたテープ起こし原稿を見ながら、まっさらのWordなどに書きましょう。そうしないと、話し言葉につられてしまい、非常にわかりにくい文章になりがちです。